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Memory of Night 番外編
第4章 Episode of AKIRA
一体ならばまだいいのかもしれないが、そんなリアルな人形が両側に何体も並び通路の方を向いていると、さすがに不気味に思える。
店内に流れるオルゴールが、ただでさえ異色なこの店の雰囲気に余計に拍車をかけているのかもしれない。
人形達からの視線をかいくぐり、狭い、螺旋のように緩やかなカーブを描いて伸びていた通路を進むと、そこにはまた違う光景が広がっていた。
まず、床の色が違う。先ほどまでは白だったのに、一転して黒。
何よりガラスの中の人形が、洋から和に変わっていた。
ざっと見渡す限り、髪や瞳の色は黒ばかりだ。色とりどりの召し物は、ドレスではなく着物。
リアルさや美しさは変わらないが、雰囲気は全然違う。
そして、さらに奥。一方通行の狭い通路の行き止まりに、ようやく突き当たる。
そこには晃がいた。
「……見当たんねーと思ったら」
通路の奥に佇み、ガラスに片手を添えて日本人形を眺めている晃に声をかけると、晃はようやく宵に気づいて振り向いた。
「ごめん、先に見てた。なんだか懐かしくて」
「懐かしい?」