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Memory of Night 番外編
第4章 Episode of AKIRA
――女関係や宵に惚れた理由をざっとではあるが話し終え、晃が腕時計を確認すると、すでに五時をまわっていた。
今、二人は人形屋があった階の通路のベンチに腰かけている。
それぞれ手には缶ジュース。
ショッピングモールということを考えれば、こんなところで長話も非常識なのかもしれないが、一日中歩きまわって少し疲れてしまっていた。
それに、相変わらずこの階には人気(ひとけ)がなかった。五時を過ぎているからかさらに減っている気がする。
三十分ほどベンチに居座り、通りかかったのは家族連れやカップルや女子高生らしきグループ、合わせて七組ほど。目の前のテナントに店がまだ入っていないのと、エレベーターから離れているのも、過疎になる原因の一つなのかもしれない。
缶コーヒーを飲みながら、今まで黙って晃の話を聞いていた宵はようやく口を開いた。
「なんか……意外だな」
「意外? 何が?」
「いや、おまえの女に対する接し方が」
それは、恋愛感情もないのに中途半端に付き合い続けていたことに対する非難だろうか。
だが、宵は特に不快に思った様子もなく、言った。