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Memory of Night 番外編
第1章 こたつでお仕置き
そこは手を縛られる前に晃に何度も口付けられたせいで、赤く鬱血している。鎖骨周辺はその痕が特に濃かった。
晃からの束縛の証。嫌ではなかった。
「学校で見せびらかせたい」
冗談混じりのニュアンスでそう言って、晃が笑う。見せびらかすのは勘弁してほしいけれど、大事な部分を人質に取られている宵には選択肢などなかった。
宵は観念して、晃の背に回していた両手を頭の上に持ち上げた。縛られているせいでずいぶんと不便だ。
不自由な手で晃の右腕を掴む。
「ん?」
晃は不思議そうに宵を眺めていたが、宵の好きにさせた。
晃の服の袖をまくり上げ、肘より少し下辺りに唇を押し当てる。腕をくわえるようにして、強く吸った。
唇を離すと、その部分には晃のお望み通りに鬱血した痕が残った。
その痕を見つめ、晃は微妙な表情を浮かべる。
「……よりによってなんで腕? 首筋とか胸元とか、もっと他にあるだろ」
確かにどこでもいいと言ったけれど、腕じゃあまりにも色気がない。
だが宵には晃の反応を気にしている余裕はなかった。
両手で晃の服を掴んで揺する。
「約束……」