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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「まさかメイドのコスプレとはなー。いい趣味してるな、明も。俺なら絶対着ないけど」
宵が、勝手に妙な役を押し付けられたあのロングホームルームのことを思い出していると、ふいに大山がそう言って笑った。
「他人事だと思って」
「いや、他人事だし」
悪びれた様子もなく、大山は笑う。
「それより、さっさと選んで明んとこ行ってやれよ。いい加減往生際が悪いぞ。どうせ文化祭当日は着なきゃならないんだし、試着しとかないとまずいんだろ?」
「……俺文化祭休む」
「子供みたいなこと言ってないで、ほら、宵」
ウイッグの入った紙袋を眼前に突きつけられて、宵はうんざりした顔をしながらも中を探り始めた。
紙袋いっぱいのウイッグは、様々や色や髪型がある。赤、金、茶、紫。ロング、ショート、セミロング、三つ編み、ゆる巻き、ボブ、リーゼント、キャバ盛り。
奇抜なものも多く、どれを選んだらいいのかなんてさっぱりわからなかった。
「大山くん、ちょっと手伝ってー!」
「はいよー」
宵が決めあぐねいていると、ふいに大山がクラスの女子に呼ばれた。