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Memory of Night 番外編
第1章 こたつでお仕置き
それでは紛らわしいだろうということで、わざわざ宵用に範囲を書き直してくれたらしい。
「なるほどね。……いや、まさか先生が書いたものだとは思わなくて。そんな薄い丸文字」
晃は納得したように頷いた後、そう付け加えた。しかもキャラもののメモ用紙である。
「知らねーよ。字の癖なんて人それぞれだろ?」
メモを放り、宵はむっつりとそう返す。
それから軽く手首をさすった。柔らかい材質の紐で、さらにパーカーの上から縛られたのもあって傷にはなっていなかったけれど、それにしたって扱われ方が理不尽すぎる気がするのだ。
勝手に誤解して、お仕置きだなんて何事か。
「だいたい、人のこと言う前におまえはどーなんだよ? いつも学校じゃ女子はべらせてんじゃねーか」
クラスが違うので常に晃と一緒にいることはないが、それでも廊下ですれ違うことはよくある。
そんな時、結構頻繁に女子といるところを見かけていた。
「……はべらせてるつもりはないんだけどな。話しかけてくる子をむげにもできなくてさ」
晃は困ったような顔でそう言い、でも、と言い添える。