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Memory of Night 番外編
第1章 こたつでお仕置き
「宵に嫉妬させちゃうのも心苦しいし、気を付けるよ」
晃はわざとらしいくらいににっこりと微笑んでみせた。
「別に嫉妬じゃ……っ」
ついむきになって言い返した宵は、すぐに後悔する。
これではいつものパターンだ。こういう態度を取るから晃にからかわれるのだということも、承知はしていた。
「自分のことは棚にあげて明とのことにいちゃもんつけてくるからムカついただけだっ」
「それを嫉妬って言うんだよ」
「言わねーよ!」
思わず上体を起こして声を荒げると、くすっと笑って晃が近付いてくる。宵の隣に屈みこみ、右手で宵の髪を梳き始めた。
「俺は宵に嫉妬してほしいんだよ。俺だけやきもきしてたら不公平だろ?」
広い胸元に頭を抱き込まれる。
頬が熱くなるのを感じたけれど、気恥ずかしさで宵はつい顔を背けてしまった。
「好きだよ」
ずるい言葉だ。
言葉と共に頬に柔らかな唇の感触。割と筋肉質で硬い男性的な体をしている癖に、晃の唇は意外と柔らかい。
「さっきはごめん。誤解して酷い扱いしちゃって」
髪を梳く手は止めず、申し訳なさそうに晃は言った。