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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
大山の予想通り、旧校舎にはやはり人気(ひとけ)がなかった。掃除や手入れもあまりされていないため、落ち葉や枯れ木で校舎周辺も荒れている。
今は一月だからまだマシだが、夏は草や虫も酷い。
大山は木の影に身を隠しながら、校舎周辺を探索した。宵に自分の存在がバレれば、逃げられてしまう。探し出して手錠を嵌めるまでは、油断はできない。
途中、たまたま通りかかった一般客に不審者を見る目で見られたが、そんなのはもう大山の眼中になかった。
キョロキョロと辺りを見渡し、メイド姿の宵を探す。
頭上を見上げた時だった。
(いた……っ)
大山の動きが止まる。視線の先には旧校舎の三階のどこかの教室の窓があり、そこにちらりと見えた人影。一瞬で消えてしまったため人影というほどはっきりは見えなかったが、やや赤茶色の後ろ髪と、白いフリルらしきものは見えた。
後ろ姿だったので顔は確認できていないが、こんな場所にいるという時点でおそらくメイドの格好をした宵だ。間違いない。
大山は木から何歩か離れて教室の位置を確認し、旧校舎の中へと足を踏み入れた。