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Memory of Night 番外編
第1章 こたつでお仕置き

 手つきは変わらず優しいままだ。
 こんなふうに髪に触れられるのにも、いつの間にか慣れてしまった。
 うまく丸め込まれているような気がしないでもないけれど、晃の匂いに鼻孔をくすぐられると理不尽なお仕置きもどきに対する怒りは冷めていってしまうから不思議だった。

「好きだよ。宵を誰にも渡したくないんだ。……いつでも独占してたい」

 そんなふうに告げながら、晃は甘ったるい茶色い瞳で覗きこんでくる。
 宵の体温がさらに上昇した。

「わ、わかったって……っ。別に怒ってねーし」

 動揺が滲み出てししまっている声で必死にそう弁解する。
 そのまま両手で晃の胸を押して体を離そうとするけれど、反対にがっしり抱きしめられてしまった。
 晃はにこっと優等生の笑みを浮かべ、言った。

「よし、なら俺の部屋に行こうか」
「……は? おまえの部屋? だって暖房壊れてるって……」
「――大丈夫。俺が温めてやるからさ、カラダで」

 意味ありげに舌なめずりをされて、ようやく晃の意図に気付いた。

「もうお仕置きする必要ねーだろっ……? 勉強しねーなら帰る!」
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