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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
宵はドアが完全に開き、鬼が教室に足を踏み入れるのを見計らって、手錠を開いた。
男の手首を掴もうと、身を乗り出す。
「……!?」
けれど、できなかった。
鬼の姿を視界が捉えた瞬間、宵の動きはぴたりと止まってしまう。
鬼は逆に宵が手錠を持っていた手を掴み、捻りあげる。
「……っ」
しまったと思った時には遅かった。手首に走る、鋭い痛み。思わず指を開いてしまい、手錠が床に落ちる。
鬼はそのまま、宵の体をドアの隣の壁に押しつけた。
薄く笑って言う。
「残念だったね。不意打ちが効かなくて」
「なんで……おまえが……」
宵は呆然とつぶやいた。
目の前にいる鬼役の男は、窓の下を歩いていた男ではなかった。
「みんな絶賛してたからどれほど可愛いんだろうと思ったら、予想以上で驚いた。……なんかそそるな」
そう言って、さらに意地悪く口元を歪めたのは――晃。
「そそるって……」
晃は目を細め、ねっとりとした眼差しで宵の体を品定めでもするかのように見つめている。
その視線に耐えきれず、宵は晃の手を振り切ろうともがいた。