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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「あっ……」
不意に誰かに腕を引かれた。それが誰なのか視認する前に、家庭科室の隣の空き教室に引きずり込まれてしまう。
「ちょ……んんっ」
とっさに声を挙げようとしたが、その前に口を塞がれてしまう。
強い力で後ろから羽交い締めにされ、身動きが取れない。
明は恐怖に、必死になって暴れようとした。
「しーっ。俺だって」
「っ!?」
だが、耳元でそう囁かれて我に返る。明らかに聞き覚えのある声だったからだ。
ぴたりと動きを止めた明に、その人物は恐る恐るといった様子で明の口を塞ぐ手を離した。同時に、腹あたりに巻きついていた腕も外れていた。
明は振り返り、正体を確認した瞬間目を見開いて叫んでいた。
「宵!?」
「しーっ!」
宵はもう一度明の片腕を引いて、その場に片膝をついてしゃがみ込む。明も引っ張られるように、その場に両膝をついた。
「え、何? なんなの?」
どうして宵がここにいて、自分が空き教室なんかに引きずり込まれなきゃならないのか。
この状況がさっぱり理解できず、明の頭にはハテナマークが飛び交ったいた。