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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
しかし、ウィッグやメイクのせいでわかりづらいが宵の顔はなんとなく疲弊している気がする。
今までどこに逃げていたのか明は知らなかったが、鬼ごっこのルールは宵には少し酷だったかな、とは思った。
(あれ、でも午前中は一時間で全員返り討ちにしてなかったっけ?)
それから午後までは誰に追いまわされることもなく自由だったはずなのだから、休む時間ならそこそこあったはずだ。
「……そういえばあんた、昼食べた?」
唐突に思い当たり、明はそう尋ねてみる。
「食ってねーよ」
「なんにも!? お金ないの!?」
「金はあるけど、こんな格好で買いに行けるわけねーだろうが! おまえそろそろ殴るぞ」
「ああ、確かに……」
若干の顔色の悪さは空腹からなのだと理解できた。
「なら屋台でなんか買ってくるよ。何がいい?」
「飯はいーよ。その前に手錠のある場所教えて」
「え、女子更衣室のあたしのロッカーの中」
「……なんでよりによって女子更衣室……。入れねーじゃん」
「大丈夫、今のあんたは女にしか見えない!」
「見た目の問題じゃねえ!」