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Memory of Night 番外編
第5章 美少女メイドを捕まえろ!
「宵ー!」
二人がテントの道具を片付け終え、クラスに戻ろうとしていた時。
ふいに女生徒の声が聞こえた。
宵と晃が声のした方を振り返ると、右手を大きく振りながら走ってくるのは宵のクラスの学級委員長である菊池明。
なぜだかメイド服を持っている。
「あら、アッキーもいる。本当に仲いいんだね、二人は。クラス違うのに」
「あー……まあ」
「宵とは波長が合うんだよ、俺」
もちろん付き合っているとは言えないので、二人は曖昧に笑ってそうごまかす。
「へー……なんか、全然タイプ違うのにね」
明は意外そうにそうつぶやいたきり、それ以上詮索しようとはしなかった。
「で、何?」
「そうそう、宵、早くこれ着てよ! もうすぐ後夜祭だよ!」
「はあ!?」
明は押し付けるようにして、持っていたメイド服を両手で宵に突き出す。
「なんでだよ? もう文化祭終わったじゃん」
「だから後夜祭だって」
文化祭二日目は、一応五時で閉幕になる。一般のお客さんはその時間で全て帰してしまうけれど、そこから片付けをして、六時からは南風高校の生徒と教師達だけで後夜祭を行うのだ。