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Memory of Night 番外編
第1章 こたつでお仕置き
手に取って眺めてみると、そこにはやや薄い丸文字で問題集の宿題範囲らしきページが書かれていた。
冬休みの宿題は、問題集丸ごと一冊ではない。おおよそ授業で習った単元までが範囲だ。
その指定範囲らしき物が書かれた紙が宵の問題集から出てきたということは、どうせまた授業中に居眠りでもしていて範囲を聞きそびれたのだろう。
それを後からクラスメイトに確認したと推測できる。
いかにも女性が好みそうな、キャラクター物のピンクのメモ用紙に丸文字。多分宵にこの紙を渡したのは女生徒だ。
今までの宵の行動からそれが誰なのかという察しはついていた。
(……気に食わないな)
晃が茶色い瞳を細め、いまだ眠ったままの宵を見下ろす。
今日は何もせずに真面目に勉強しようと思っていたが、どうやら、ちょうどいい口実ができたようだ。
晃は宵の背にぴったりと自分の体を寄り添わせた。
今日の宵の服装は、グレーの長袖に黒いパーカー。パーカーは前が開いている状態で、フードの間からちらりと見える鎖骨が非常に魅惑的だ。
上に着ていたコートは、たたみもせずに畳の隅に放り投げてあった。