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Memory of Night 番外編
第1章 こたつでお仕置き
宵はぐっと瞼を閉じて、大きく息を吸い込んだ。
「い……いい加減にしろ!」
叫んで、晃を押しのけるようにおもいきり右足を振り上げる。足は晃の膝を直撃し、痛みに、晃の顔がわずかに歪む。
すぐにその表情は消えたけれど、そうして顔を上げた晃は心なしか不機嫌そうだった。
真上から威圧的に覗きこまれるとなんとなく恐ろしい。
「……そんな目立つとこに痕なんかつけんなよ。人に見られる……」
「見せつけてやればいいだろ、明ちゃんとかに」
宵の言葉を遮って、晃は言った。
「……明?」
宵は訝しげに眉を寄せる。
独占欲を剥き出しにした晃の発言はたまにあるので特には驚かないけれど、なぜここで明の名前が出てくるのかわからない。
「相変わらず呼び捨てにしてるんだね」
「……っ」
言いながら両手首を掴む手に力を込められる。
血が止まるんじゃないかってくらい強く掴まれ、宵は痛みに顔をしかめた。
「……わかったよ。これからは名字で……」
言いかけて、あれ? と首をかしげる。
「……あいつの名字ってなんだっけ?」
「クラスの女の子のフルネーム覚えてないとか最低だな」