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花屋のあの人
第1章 ⒈始まりと出会い
「今日もいい天気だな…」
春の柔らかい日差しが降り注ぐ午前8時。
窓を開け放ち その若者 深山 斎は 空を街並みを眺め 呟く。
一昨日越してきたばかりのこの家の片付けは
だいぶ進んできたようで 一昨日まであった山積みの段ボール箱は2、3箱へと減っていた。
斎は高校を卒業後、進学はせず就職を決め
いい機会だからと 一人暮らしを始めたのだ。
勿論 親からは反対をされた。
何故なら、斎は親が住んでいる街ではなく、そこから一時間以上かかる 足も殆ど運んだことがない街を選んだからだ。
『どうしてそこなの?』『この街じゃダメなの?』
そんな言葉を聞かず 信念を曲げずにこの街へと越してきた。
「さて、と…顔洗って飯でも食うか…」
自分が使っていた布団を邪魔にならない程度に畳み、
んーっ、と大きく伸びをしながら洗面台へと向かう。
この家はキッチン、ユニットバスつきのワンルームだ。
初めての一人暮らしにしては いい部屋へ住めたと思う。
最寄りの駅から少し遠いのが難点だが、慣れればいい。
そんなことを思いながら 斎は冷たい水を顔へと叩きつけた。
春の柔らかい日差しが降り注ぐ午前8時。
窓を開け放ち その若者 深山 斎は 空を街並みを眺め 呟く。
一昨日越してきたばかりのこの家の片付けは
だいぶ進んできたようで 一昨日まであった山積みの段ボール箱は2、3箱へと減っていた。
斎は高校を卒業後、進学はせず就職を決め
いい機会だからと 一人暮らしを始めたのだ。
勿論 親からは反対をされた。
何故なら、斎は親が住んでいる街ではなく、そこから一時間以上かかる 足も殆ど運んだことがない街を選んだからだ。
『どうしてそこなの?』『この街じゃダメなの?』
そんな言葉を聞かず 信念を曲げずにこの街へと越してきた。
「さて、と…顔洗って飯でも食うか…」
自分が使っていた布団を邪魔にならない程度に畳み、
んーっ、と大きく伸びをしながら洗面台へと向かう。
この家はキッチン、ユニットバスつきのワンルームだ。
初めての一人暮らしにしては いい部屋へ住めたと思う。
最寄りの駅から少し遠いのが難点だが、慣れればいい。
そんなことを思いながら 斎は冷たい水を顔へと叩きつけた。