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貴方にジャンキー
第5章 男の苦悩
「あ、徹じゃあん♪久々ぁ♪ってか、その顔どしたよ?」
キンキン声が響く。
「うっせ。黙れ。」
「機嫌わるぅ。」
ここは、親や学校から見放された奴らの溜まり場。
理子と出会ったのもココだった。
理子の兄である真弥さんが、こいつらをまとめてた。俺が崇拝してたくらいカッコイイ人だった。
そうだ。理子・・・
キョロキョロしていると
「徹さん、誰か探してるんスか?」
「あぁ、理子が・・」
「理子さん??!!戻ってきたんスか?」
シマッターーー!!
「何で、言ってくれないんスかぁ。理子さんは、俺の超超超憧れの人なのに〜〜!!」
「黙れっ!そんな単純なもんじゃねーんだよっ!」
俺はトシにゲンコツを1発頭にかました。
「いってぇっ!その調子じゃ、理子さんと喧嘩ですかぁ?イヒヒ〜♪」
「もう1発殴られてぇか?」
「うわっ!冗談ス!あ、でも、今なら俺にも振り向いて貰える心の隙間が♪♪♪」
ふと、物理の授業中の理子の顔が浮かんだ。
「・・・かもな。」
「えぇっ?それも冗談スよー?」
「やっぱ、帰るわ。もし理子が来たら家まで送ってやれ。」
「ちょっ・・・徹さんーーー?!」
トシが何か叫んでたけど、それを無視して家路に向かった。