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あいの向こう側
第9章 blue
サリの羽織り服を結びタクシーに乗せ、
私は路肩に立ち去っていくタクシーを見送った。
ふわりと生ぬるい風が吹く。
火照った頬を掠める風が気持ちいい。
『―――りかさん!
お待たせ』
タタッと靴音がして蒼生が私の右手を握る。
アパートに着くと、
蒼生は靴を脱いだ途端私を抱きしめた。
唇を重ね、
抱き合ったままベッドに移動して倒れ込む。
蒼生の指先が衝動を抑えもせずに私の衣服を剥いでいく。
『……蒼生っ………』
力強い肉が私の身体を貫いたとき、
我慢できずに名を呼んだ。
快感に痺れ目眩を覚える。
汗がまとわりついて離れない。
微かに瞳を開くと、
嬉しそうな…でも欲情に満ちている蒼生の目が見える。
私と蒼生は何度も果てながら、
何度も交わる。
――声が掠れ、喘ぎ声も出なくなったころ。蒼生が頭を上げて『ああ、朝が来ちゃった………』
と呟いた。
シーツは汗で湿っている。
残念そうなどこか物足りなさそうなその声。
私はくたくたになった腰をゆっくりと起こし蒼生の肉に沈めていく。
目を見開く蒼生を見下ろして上体を丸め蒼生の首元を咬んだ。
『……今日私休みなの』
赤い痕が残る。
私の首に沢山つけられた痕と同じそれを、
今度は私が蒼生に残していく。
蒼生の長い指が、
私の腰を掴む。
途方もない快感に、私も蒼生も無言になり身を投じた。
〔終〕
私は路肩に立ち去っていくタクシーを見送った。
ふわりと生ぬるい風が吹く。
火照った頬を掠める風が気持ちいい。
『―――りかさん!
お待たせ』
タタッと靴音がして蒼生が私の右手を握る。
アパートに着くと、
蒼生は靴を脱いだ途端私を抱きしめた。
唇を重ね、
抱き合ったままベッドに移動して倒れ込む。
蒼生の指先が衝動を抑えもせずに私の衣服を剥いでいく。
『……蒼生っ………』
力強い肉が私の身体を貫いたとき、
我慢できずに名を呼んだ。
快感に痺れ目眩を覚える。
汗がまとわりついて離れない。
微かに瞳を開くと、
嬉しそうな…でも欲情に満ちている蒼生の目が見える。
私と蒼生は何度も果てながら、
何度も交わる。
――声が掠れ、喘ぎ声も出なくなったころ。蒼生が頭を上げて『ああ、朝が来ちゃった………』
と呟いた。
シーツは汗で湿っている。
残念そうなどこか物足りなさそうなその声。
私はくたくたになった腰をゆっくりと起こし蒼生の肉に沈めていく。
目を見開く蒼生を見下ろして上体を丸め蒼生の首元を咬んだ。
『……今日私休みなの』
赤い痕が残る。
私の首に沢山つけられた痕と同じそれを、
今度は私が蒼生に残していく。
蒼生の長い指が、
私の腰を掴む。
途方もない快感に、私も蒼生も無言になり身を投じた。
〔終〕