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あいの向こう側
第32章 純愛
「ああっ……!」繋がれた手首が痛い。
わたしは腰を捩り、ため息混じりの悲鳴を上げた。

白いセーターを着て下半身のみ裸というのはどこか滑稽だ。
しかし夫である通(とおる)は息荒く、
水から打ち上がったオットセイのようなわたしを見下していた。

「あなた、寒い…………」

「ダメだ。仕置きだ!!あの男と何分話した?!」
眼鏡の奥の切れ長の目に怒りの炎が燃えている。

夫の嫉妬は通常のそれとかけ離れている。
わたしは専業主婦であり、買い物に出掛けるときもGPSで見張られていた。

縛られた手首。

冷たい板張りの床に転がって、首を赤くした夫にされるがままだ。

「ここをびしゃびしゃにしてたんじゃないだろうな?!
あの男、ニヤニヤ笑っていたぞ!!」

いつも気をつけているけれど、
今日はちょうど夫の帰宅時に隣の旦那さんと世間話をしていたのだ。

発火してから燃え上がるまで速く、
まずいと思ったときには遅かった。


「あっ、ああんっ!!」夫の指が荒くわたしの秘部をこね回す。
「ああっ…………!!」ビラを引っ張り、芽を叩きナカを荒らす指。拷問に近い仕打ちだというのに快感が体の中心を貫いた。
「こうしてやるっ、こうだ!!」

「ああっ!あんっ、あーっ」

涙が滲む。

夫は手を止めると、姿見を運んできた。

わたしを背中から抱えこむようにし、脚を開かせる。
赤黒い貝に似た秘部が姿見にくっきり映る。


セーターを捲られ、
小さな膨らみがぽろんとこぼれ落ちた。


夫の鼻息が耳元で聞こえる。



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