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あいの向こう側
第4章 あの日の続き
県立病院の予約日、
怠い体を引きずるようにして検査を受けた。
簡単なCT検査だったため、
その日の内に結果が出た。
医師は軽やかに『残ってるみたいだねぇ』と云う。
奈美は世間話でもするかのような口調でさらりと云われた内容が上手く聞き取れず…
『へっ?』
と間の抜けた声が出た。
『いえね、
ココ。この黒い影あるでしょ?』
恰幅が良い初老の医師は、授業をするかのように白板に張ったCT写真をペンで差す。
『……はい』
『きちんと切除出来てなかったんだね。
少し残っちゃってますね。再度手術したほうがいいんですが、
今日ご両親いらしてる?』
奈美は待ち合いで待っている母親を呼んだ。
母親は驚き慌てて、
『なるべく早く手術をお願いします』と2週間後に予約を入れた。
帰りの車で母親は運転しながら、
『残ってるなんて……
道理で顔が青いし、気力がないはずだわ……』
と嘆く。
奈美は混乱しつつも『……………悪性が残ってるのってヤバいんだよね?……………』
と問う。
『………そうね、
手術して取って貰わなくちゃ……』
母親も混乱したままのようだ。
その日の夜、
父親が会社から帰ると居間で3人向かい合って話をした。
父親は『とりあえず手術しないことにはだなぁ。
しかし、切除出来たと思っていたのに…』と沈痛な表情になる。
母親も青ざめていた。
怠い体を引きずるようにして検査を受けた。
簡単なCT検査だったため、
その日の内に結果が出た。
医師は軽やかに『残ってるみたいだねぇ』と云う。
奈美は世間話でもするかのような口調でさらりと云われた内容が上手く聞き取れず…
『へっ?』
と間の抜けた声が出た。
『いえね、
ココ。この黒い影あるでしょ?』
恰幅が良い初老の医師は、授業をするかのように白板に張ったCT写真をペンで差す。
『……はい』
『きちんと切除出来てなかったんだね。
少し残っちゃってますね。再度手術したほうがいいんですが、
今日ご両親いらしてる?』
奈美は待ち合いで待っている母親を呼んだ。
母親は驚き慌てて、
『なるべく早く手術をお願いします』と2週間後に予約を入れた。
帰りの車で母親は運転しながら、
『残ってるなんて……
道理で顔が青いし、気力がないはずだわ……』
と嘆く。
奈美は混乱しつつも『……………悪性が残ってるのってヤバいんだよね?……………』
と問う。
『………そうね、
手術して取って貰わなくちゃ……』
母親も混乱したままのようだ。
その日の夜、
父親が会社から帰ると居間で3人向かい合って話をした。
父親は『とりあえず手術しないことにはだなぁ。
しかし、切除出来たと思っていたのに…』と沈痛な表情になる。
母親も青ざめていた。