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第15章 悠の帰郷

　すると、この答えを聞き、真奈美が目を少し見開いた。

　今まで諦めの微笑みを浮かべていた真奈美だったが、多少の希望が急襲してきたようだ。

　上半身をしっかり起こして、真奈美が尋ねる。

「じゃあ、この街に帰省してるとき以外は、滅多に会えないの？」

「そうだな。ずっと連絡は取り合ってるけど」

「だったら、私はますます諦められない！　だって、私はこんなにまで悠のことが好きだから、もしもう少し早く出会えていたなら、私なら絶対に悠と離れ離れになるような選択をしないから！」

　悠はあからさまに機嫌を悪くした様子になったが、数秒後には普通の態度に戻って言った。

「やっぱり、熱の影響が大きいみたいだな。真奈美は熱くなりすぎだ」

「熱は関係ないよ！　どうしたら、私の気持ちを信じてもらえる？」