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第17章 冬休み

　悠としては、俊樹のことが心底気に入らなかったし、顔も見たくなかったのだが、「このまま何もしないでいると、イブに風香と会うことは不可能だ」ということが心にのしかかっていた。

　そしてその場合、もしかしたら風香が俊樹と一緒にイブを過ごすかもしれないということも。

　悠がボソッと言った。

「考えたくもないけど……もし、風香が掛川って人と付き合っているのなら、すぐに断られると思うぞ。もっとも、もし彼氏ができたなら、風香はきっとすぐ俺に知らせてくれるとは思うし……多分大丈夫だとは思ってるけど……」

「そのときは仕方ないね。でも、もしお二人が付き合っていないなら、ＯＫしてくれるんじゃないかな」

　悠は深呼吸をしてから、静かに言った。

「分かったよ。一応、提案だけしてみる。もし断られたら、この話はナシってことで」

「そのときは、私と二人っきりでイブを過ごせばいいだけだし、気にしないで」

「ふざけてると、電話切るぞ」

「ごめんごめん！　それじゃ、よろしくね！」

　こうして、悠が風香に「イブの夜、どこかへ遊びに行かないか」という誘いをかけることとなった。