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桜舞うあの日のままで
第17章 冬休み
 ともかく、こんな提案を平気でしてくる真奈美の考えを全く読み取れずに、悠が呆れたように言った。

「いつものことながら、とんでもないことをサラッと言ってくるなぁ。大体、彼氏かどうかも知らないんだぞ」

「だったら、その場ではっきりさせればいいでしょ。何なら、私から聞いてあげよっか?」

「余計なことするなって! やっぱ、この話はナシだな」

「え~?!」

 不服そうな真奈美は言葉を続ける。

「じゃあ、どこかで一度だけ、風香さんと悠を二人っきりにしてあげるから! 約束する! それならいいでしょ?」

「一度だけって、数分間程度のことか?」

「長くて30分くらいかも」

「そんなこと、可能なのか? 真奈美は風香だけでなく、掛川っていう人とも会ったことすらないんだろ」

「私が初対面の人とも上手くやること、悠だって知ってるくせに」

 この部分は、悠も認めざるを得なかった。

 事実、悠自身、真奈美とは出会って二日目であっさり打ち解けてしまったという経緯があるので。




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