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第20章 桜舞うあの日のままで

　誕生日当日の午後、悠の部屋にて、風香と悠は腰を落ち着けた。

　すぐに悠が口を開く。

「さっきも言ったけど、改めて……。誕生日、おめでとう！」

「ありがとう！」

「そうそう、そして……これだな……」

　言いつつ立ち上がった悠は、カーテンを開けた。

　眩しい日の光が部屋の中へ差し込んでくる。

　思わず一緒に立ち上がった風香にも、窓越しに例の桜の木がはっきりと見えた。

　天気予報によると、今日が満開らしい。

　その「満開」の言葉どおりに、薄紅色の美しい花が木の大部分を多い尽くしていた。