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桜舞うあの日のままで
第20章 桜舞うあの日のままで
「なぁ、風香。風香って、あの掛川って人と付き合ってるのか?」

「え?!」

 悠に先に口を開かれた上に、予想外の質問を受け、風香はうろたえた。

 しかし、誤解されては困ると、慌てて答える。

「そんなわけないでしょ! 私は今まで誰ともお付き合いしたことないし! それに……」

「それに、『もし誰かとお付き合いしてるなら、誕生日という大切な記念日に、こうして他の男の部屋で、他の男と二人っきりにならない』ってか?」

「う……うん!」

 言おうとしたことを、またしても読み取られてしまい、少しびっくりした風香だったが、気を取り直して力強く頷く。

 風香が「でも、どうしてそんなことを尋ねてくるんだろう」と不思議に思った瞬間、悠がさらに言った。




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