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第4章 悠の部屋にて……

　悠の唇の隙間から、ごくごく僅かながらコーヒーの香りを感じ取る風香。

　風香にとっては、このファーストキスは、甘酸っぱいというよりも、ややほろ苦く感じられた。

　それでも、コーヒー好きの風香にとっては、不快なはずもない。

　むしろ、良い香りと捉えており、重なり合う唇の甘美な感触と相まって、風香はうっとりしていた。

　その心地よさに身を任せた風香の右手は、自然と勝手に動いていき、悠の後頭部に優しく触れる。

　二人は、これ以上は不可能なほど、ぴったりと身体を合わせながら、何度も何度もキスを交わしていた。