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第8章 誠一の嘘。

『行ってきたか？』



『会長、お気持ちは有り難いですが、もうそっとしておいてください。』



『……お前はまた必ずあのカフェに行く。お前のことは俺がよくわかっているんだ。』



もう、行かない。
そう決めたはずなのに父親の言葉どおり足はカフェへ向かっていて
またカフェラテを頼んでいる。



彼女の経歴を調べたらまだ大学生でここでバイトをしている。
勤務態度は真面目で奨学金をもらって大学に行きながらバイトをしている。
趣味は読書で本屋に行くのが好きだと書かれていた。



仕事のリサーチがてらなんて言っておきながら本当は美緒に会いたくて
心地よい風と日当たりに包まれて美味しいカフェラテを飲んでいる時が幸せだった。