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どうか、私を愛してください。
第9章 涙のキス。
細長い指で唇を触り、頬から髪の毛をかきあげられてキスされるのが大好きだった。
そこから耳を触り顎先に戻ってもう一度、キス――
誠一さんとは違ってブラックコーヒーが好きな誠二さんとのキスは苦いけど
キスしているって実感がある。



「お母様。」



「え……?」



「こんなところで何をしているの?」



いつの間に寝てしまったのだろう。
永一に起こされるなんて……



「ごめん……ね……」



「お母様?」



夢かと思ったけど、唇がほんのり苦い。
そして私の頬には自分ではない涙がついている。




嘘、まさか誠二さん…?
さっきの夢の中でのキスは誠二さんなの?
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