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第14章 永一の夢

「どうして…燃やしちゃうの？」



「どうしてかな…」



「自分で燃やしているのにわからないの？」



「フッ……そうだな。」



叔父さんが描いた綺麗な絵が大きな赤い炎に包まれて黒くなって灰になる。
一枚の絵にたくさんの時間を費やしたはずなのに
燃やすとこんなにも一瞬で絵がなくなるんだ。
人間も同じなのかな…？



「叔父さんはもう絵を描かないの？」



「……もう描けないんだ。」



「どうして…？」



「なぁ、永一。」




「え…？」



急に話を遮られて気づいたら叔父さんに抱っこされていた。
こんな風に抱っこされたのはいつぶりなんだろう…？
そういえばお父様にこんな風に抱っこされたこと僕はあるのかな？