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秘めた想い同士
第8章 日曜日
「わ・た・し」
うっ。私は女の子?

「わ・た・し」
あああ。いやっ。本当の女の子になりたい。

「わ・た・し」

「そう。みおちゃんは女の子よ」


「わ・た・し」

「もう男に戻らなくてもいいのよ」


「わ・た・」
うん。私は女の子よ。
はぁ~。

私は男的な考えが出来なくなった。

声も甘ったるい声になっていた。


「みおちゃん。夕ご飯作るから手伝って」

「はぁ~い。せんぱ~い。今日は何作るんですかぁ」

「私。料理全くダメなのよねぇ。みおちゃん。何か作れる?」

「えー。みおですかぁ。う~ん。カレーぐらいかなぁ」

「じゃあ。みおちゃん。作って?」

「はぁ~い。でも、まずくても怒らないでね」

「うん。きっと私が作るより“まし”だから」

「ふふ」

「みお。今、笑ったでしょ」

「ひぇ~」

そして、みおが作ったカレーを二人で食べ、テレビを見ていた。

「なんか。本当の女の子になっちゃったね。みお」

「いやぁん。そうさせたのは先輩でしょ」

「まぁ、そうだけど」
夜も10時を回った。
「ねぇ。みお」

「はい」

「外に行かない?夜の散歩。自販機でジュース買いに行こうよ?」
「えー。でもみお恥ずかしいなぁ」

「大丈夫。大丈夫。行こ!」
先輩はみおの手をひっぱり玄関へ。

先輩のサンダルを借り、外に出た。

なに?これ?

風という風は吹いていないが、スカートの中で風を感じる。

そして、その風は胸の部分から吹き抜けるみたいだ。

スカートの中はパンツだけっていうのも変な感じだ。

髪を風でなびく。
耳、首筋、襟元がくすぐったい。

横を車が通る。

その度にスカートがなびく。

すごく恥ずかしいけど、それ以上にうれしい。
うれしくてうれしくてたまらない。

先輩はわざと遠回りをして歩いているみたいだが、みおは逆にもっと外を歩きたかった。
そして、
「せぇんぱい」
と言って、先輩と手をつないだ。

うれしい。
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