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冷たい月を抱く蝶
第1章 愛のない行為
泣きながら部屋を出ると、私は直ぐに自分の部屋に戻った。 部屋に戻ると、扉の前で崩れ落ちた。 優しかった父は、いつからかあんな風に人が変わってしまった。
幸い血の繋がってない義父との関係だったからよかったもの、もし本当に血が繋がっていたら、私はきっと生きて行けないと思った。
繰り返される肉体関係に、私は心の中で父のことを責めた。愛のない行為は胸が張り裂けてしまうくらいの切なさを残した。私はあんな風に人が変わってしまった父のことを今もどこかで、愛を探していたのかも知れない――。