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冷たい月を抱く蝶
第2章 温かい手のひら

その日は雪が降っていた。
馬車から逃げた際に片方の靴を落としてしまった。
私は片方の靴をなくしたまま、冷たい雪の上を歩いた。 もう心まで凍ってしまって、冷たい雪の寒さも感じなくなった。
街中をひっそりと歩いてると、フと目の前に林檎が落ちていた。
お腹が空くと、空腹に我慢出来ずに落ちてる林檎に手を伸ばして拾った。
ちょっと表面は汚れていたけど、まだ食べられる林檎だった。
私は人目も気にせずに、林檎を食べようとした。
その時、突如うしろから馬車が走ってきた。
私は思わず大きな声で叫んだ。
すると、馬車はその手前で立ち止まった。
間一髪のところを難を逃れた。
すると、馬車から男の人が降りてきた。
私は一瞬、あの男かと思って急いで逃げ出した。
すると、降りてきた男性は私を腕の中に閉じ込めて抱き締めた。

