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俺は貴方を愛してはいけない
第2章 アリッサ、下流貴族
薄暗闇の中、階段をゆっくりと上がる。
こつ、こつ、という私の履いている靴の音だけがあたりに響く。

彼が、階段を上った先で止まる。

「えぇと…あぁやっぱりここか」

彼の声が、廊下に響き渡る。
やはり、甘い声。
甘すぎるわけでもなく、苦いわけでもなく、人を惑わせるような甘い声。

「どうぞ、お嬢様。お入りくださいな」

カギを鍵穴に差し込んで、ドアを開く。
…私こんな風な扱いされたことない。
お姉さまはいつもしてもらえるのに、私だけいつもドアを自分で開けていた―。

「誰の事を考えているんです?…俺の、俺の事だけ考えていてください」

俺に溺れさせてあげますよ、麗しのお姫様―。
ぐ、っと腕を引っ張られて彼の体に倒れこむ。

バタン、とうしろでドアの閉まる音がした。
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