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Desire エピソード2 ~公開恥辱的診察~
第7章  外科医の正義 ー 天才女医 ー
~執刀医発表の二日前~
執刀医が蛯原に決まったとの噂は、ナースステーションにまで広がっていた。

新人看護師の川口秋奈が、恵巳に聞く
「先輩、みんな言ってたんですけど、蛯原先生ってオペ下手なんですか?」
「まあ、上手くはないわね」
「そんなんで、大丈夫なんですか?」
「外科の医師が、複数でサポートに入る気でしょ。いつもそうだから」
蛯原は、論文執筆に優れているが、腕は今一つ
何か問題が発生した場合の、対応力もなし
今までの手術実績も、最初のメスと最後の縫合ぐらいしか、やっていなかった。
...
そんな話を聞いて、秋奈は素朴な質問をする
「それじゃ実際、誰が切るんですか?」
「おそらく、第二外科の教授でしょうね」
「じゃー、その教授が執刀医で、いいじゃないですか?」
「失敗した時の事を考えて、蛯原先生に責任を被せる気でしょ」
「なるほど」
「マスコミも注目してるし」
「そっか、私でも知ってる政治家ですもんね」
「失敗すれば、蛯原先生は、クビか左遷ね」
「なんか可哀そう...でも成功したら大出世とか?」
「成功すればね。でも、第二外科の教授の腕でも、無理でしょうね」
「じゃー、あの柴門先生なら?」
「多分、成功するでしょうね。なんせ、今まで失敗したことない、人らしいから」
「ええー!本当ですか?」
恵巳の、看護学校時代の友人が、国内最高峰の大学病院で、手術室看護師をやっている
その友人が、柴門のオペに何度か、立ち会ったらしく
今まで見た中で間違いなく、1番の外科医と言っていた。
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