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お礼の時効
第4章 せっかく捕まえたと思ったら、逃げられたんです
詩織は苛ついていた、目の前にいる自分の上司の腑抜けた姿は見飽きていたが、まさか使い物にならなくなっているとは予想もしなかった。

「浅野検事? 生きてますか?」

だめだ反応がない、詩織は盛大なため息をついて今日のスケジュールを大きな声で浅野へ伝えた。
一通り朝の伝達事項を伝え終わると、ようやく浅野が机から顔を上げてぼうっとどこかを見つめていた。

今朝出勤した詩織が見たものは、浅野の下で働くようになってから初めて見る光景だった。
浅野が机に突っ伏してなにやら呻いている。恐る恐る浅野に近づいてその言葉を耳にした詩織は驚愕した。

「春季……」

あの女弁護士だ……、詩織は直感した。確か名刺があったはずだ。自分の机のなかの名刺フォルダの中にあった名刺を見てみると、そこには時任春季と印刷されていた。
やはり浅野とあの女弁護士は何かある。しかもここまで浅野が落ち込んでいる姿など見たことがない。
腑抜けていても一応上司だ、仕事をさせなければ担当の刑事たちが押し寄せてくるに違いない。
そのことを考えただけで詩織はぞっとしてしまった。

「あの……浅野検事? そろそろ仕事しないと駄目ですよ? 生きてますか?」

優しい声で問いかけても、まだあの女性の名前を呟いている。

「浅野検事? あともう少ししたら取調べ始まりますよ? 起きてください」

だんだん詩織は苛々してきた。

「浅野検事! 時任弁護士に電話してあなたの現状を訴えますがよろしいですか?」

とたんに浅野の体が机から離れた。効果はあったらしい。とりあえず今日一日はもつ、いやもってほしいと詩織は心から願った。
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