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お礼の時効
第4章 せっかく捕まえたと思ったら、逃げられたんです
すると浅野が弱弱しい声で詩織に問いかけてきた。

「羽田さん、一つ伺ってもいいですか?」
「なんでしょうか浅野検事」

詩織はパソコンの電源を入れながら浅野へ返事をした。

「女性ってやはり優しくしないと駄目ですよね……その……夜の方なんですけど……」

詩織は絶句した。まさか「そっちの質問」だとは思いもしなかったからだ。
普段の浅野は見る分にはいい男の類で、密かに憧れを持っている事務官もいる。
しかし、ここ一ヶ月の浅野の姿はそれを 悉(ことごと)くくぶち壊していたのだ。
詩織は大きなため息をついて浅野の質問に答えた。

「浅野検事、それはどういう意味かわかりかねますが、少なくとも女性には優しく接しないと駄目だと思いますよ。相手の同意をもらえてないなら、それこそ強姦罪が適用になりかねません。しかも相手が弁護士だなんて……」

チラと浅野の横顔を見ると、詩織の目に飛び込んできたものがあった。
浅野の耳のしたが赤くなっている、その赤い部分をじっと見つめていると詩織は気づいてしまった。

浅野は気がついていないようだが、あれは恐らく……。
詩織は思わずほくそ笑んでしまった。
そうかあの女弁護士もなかなかたいした人だ、でなければ浅野の耳たぶの下に赤い痕は残さない。
知らぬは浅野だけだと思うと詩織はここ一ヶ月の溜飲が下がった気がした。

「せっかく捕まえたと思ったら、逃げられたんです……」

まだ浅野のつぶやきは続いていたらしい。
詩織はその声を聞きながら、女弁護士がつけたであろう赤い痕を見つめていた。これを浅野に言ったらどう変わるだろうか、それも見たいが恐らくこのまま女弁護士のもとへ駆けつけていくだろう。それは困る。
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