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お礼の時効
第10章 あなたと一緒に幸せになりたいの
「春季……っ!!」

子犬のようだと春季は思った。和臣はカバンを投げ捨て一目散に春季の元へ駆け寄るとその体を抱きしめてきた。和臣の頭の上の雪を払い、冷たい頬を両手で挟み唇を重ねる。ひやりとした唇が自分の唇に吸い付き、生暖かい舌が唇を割り開いてきた。互いの舌を絡めあう。

 和臣は着ていたシャツを脱ぎだし、春季も着ていたワンピースを脱ぎだした。半年ぶりの逢瀬の時間は1秒たりとも無駄に出来ない。はやる気持ちが互いの荒い息づかいにかわり、唇を重ね、舌を絡ませながら互いに生まれたままの姿になった。

「春季……っ」
「和臣…、来て…」

 和臣の冷たい手のひらを春季は自分の豊かな乳房に添えた。ひやりとするが、じわじわと温かくなる。和臣はその手の力を強めこねるように揉みしだいた。

「春季……ここじゃ寒いから……んっ」

 和臣が春季の乳房を揉みしだきながら、ベッドへ誘おうと声を掛けた途中で、春季に唇を塞がれた。

「いや……温めて……和臣……」

 自分の顔を見上げ懇願している春季の姿に、和臣はぞくりとした。春季の乳首を摘まみながらもう片方の乳首に吸い付いた。春季の体が赤く染まり始めた頃、下腹へ手を伸ばす。指を差し入れるとそこは既に潤んでいて、小さな突起を指でこねると春季は体を反らせて悦びの声をあげた。

 足の指で床を掻きむしる、そうでもしないと気が狂いそうだ。
 時間を置けば置くほど得られる快楽はその量を増して、春季は既に軽く達していたほどだ。しどけない姿の春季の耳元に和臣は唇を寄せた。

「春季……」
「ね……、私で……暖まって……」

 荒い息をなんとか鎮めその言葉を春季は口にした。
 和臣は春季の両脚を抱え、春季に口づける

「勿論ですよ、春季。この半年この時を待っていましたからね。では、遠慮なく……」

 春季の中に和臣が入ってきた。

「春季……あなたに飢えた私を癒して下さい……」

 春季は自分の最奥に和臣を感じ、そのまま意識を飛ばしていた。
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