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紅い首輪
第6章 6
「お疲れ様でした!」
バイトを終えたゆきは急いで、
身なりやメイクを直して店を飛び出した。
ジーンズにスニーカー、
キャミソールに半袖のパーカー、
肩掛けのバッグとバイトの日は
いつも着替えやすさ、動きやすさを
重視した服装だが今日程それを
後悔した日はなかった。
慌てて塗ったルージュが
浮いてる気がしてならない。
「お疲れさん、夕飯行かないか?」
裏口から出てきたゆきを紅は
自分の車へと誘った。
「お疲れ様ですっ。お邪魔します…。」
黒のオデッセイ、ドアを開けてくれたのは
助手席だった。
父親以外の車の助手席なんて初めてで
ゆきの頬は緊張で真っ赤に染まる。
「何、食いたい?」
「なんでも良いですっ、紅さんの食べたいものでっ」
「お前、いつも緊張してるなぁ。」
ハンドルを切りながら紅は
楽しそうに笑った。