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第15章 ゆりこと美紀

正樹は無精子だったので

ゆりは妊娠はしなかった。

「ゆりこさん、
どうしたのです？」

ゆりはゆりこに聞いてみた。

ゆりこはかなり

悩んでいるようだった。

「ゆりこさん…」

ゆりこは黙っている。

「黙っていては…
分らないし、
解決になりませんよ？」

「私…」

いきなりゆりこは

泣き出してしまった。

「一体…
どうしたのです？」

「ゆりさん、
私…どうしていいか…
分らない…」

泣きながらゆりこは

ゆりに答える。

「詳しく話して…」

「実は…
正樹が浮気していたのです。
私…正樹を愛しています。
偶然、正樹が浮気して
他の女性を抱いている所を
見てしまいました。

私…正樹と別れたくない！
私…正樹なしでは
生きていられない！！」

「あらら…」

ゆりはゆりこに同情した。

ゆりこは正樹にお熱で

いつも正樹と一緒に

いるとの事。

ところが正樹が浮気して

それがゆりこの目に留まり

ゆりこは絶望している。

「ねぇ…
ゆりこさん…
それで、正樹さんは？」

「正樹は別れたいと…」

「何故？
相手の女性が
気に入っているから？」

「それが…」

ゆりこは再び

黙ってしまった。

「どうしたの？」

「相手の女性は…
かなり男癖が悪い
人らしいのです…」

「はぁ…」

「私…
浮気現場を見てから
興信所で相手の女性のこと
調べました。
そしたら…
その女性はよく男を
取り替えて…
お金を巻き上げたら
別れる…
その繰り返しで…
正樹は…
騙されているのです。」

ここまで言ってゆりこは

また泣き出した。