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淳、光と闇
第7章 小さな命 武への愛
「神は…
あの二人を…
何故見捨てる…
何故、二人の仲を…
引き裂くのだ?」


武の葬儀は淳が

身元引受人となって行われた。

葬儀には竜馬や省吾、

優子、由美も参列した。

淳の知り合いと言う事で…

葬儀の席で竜馬と省吾は

黙って淳のする事を見ている。


焼香の席で武の同年代の患者が

遺影の前に立って

怖い顔で武の遺影を睨み

いきなり灰を遺影に投げつけた。

「な、なんてこと!!」

周りが騒然となった。

しかし、仲間達はキッと遺影を睨み

「武…貴様…
何故、淳さんを置いて
逝ってしまった?
何故、淳さんを
泣かせる様な事をする?
貴様…淳さんが
どれほどお前の事を
心配したか…
分っているのか?

それを…それを…
お前は…
さっさと死んでしまって…
淳さんの悲しみを考えろ!!
お前だって…
お前にとって…
淳さんはたった一人の
身内じゃないか?

それを…
よくも…よくも…
武!!恥を知れ!!

投げた灰はお前を
失った淳さんの
悲しみだ。
俺達の無念さだ…
分ったか!!

武…何故…何故…
死んでしまった…
残った俺達はどうすれば良い?
答えろ!武!!」

仲間達は遺影の前で泣き崩れた。

淳はそれを黙ってみている。

最後に淳は挨拶に立った。

「武君は私のかけがえのない
弟でした。
そこには血の繋がりなんて
関係ない、いやそれ以上の
絆がありました。
私にとって今、大切なもの…
失ってしまいましたが
武の残していった想いを
無念だった想いを…
私は引き継いでいきたいと…
叶えたいと思います。」

省吾と由美はその言葉を聞くと

静かに席を立った。

竜馬と優子も後に続く。

外に出て省吾は三人に

「わしは…今まで…
多くの葬儀に参列したが…
今日ほど悲しく、そして
強い気持ちの葬儀は初めてだ。
淳ちゃんの気持ち…
察して余りある…」

そう言って涙した。
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