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淳、光と闇
第10章 淳の初恋
「本当にそう思ってる?」
「思ってる。
俺決めたんだ。
悪い頭で考えて
人並みに何でも
出来る様になって
そこで初めて淳ちゃんを
求めるって…」
「それって、
逃げだよね?」
「え??」
淳は寂しそうに下を向いて
「私は雄二君に
奪ってもらいたい…」
「淳ちゃん…」
「あのね、私
嫌らしい訳でもなく
淫乱でもないけど…
それでも、私の事を
真剣に思ってくれる人なら
あげても良いと思うの。
自分を…
だから、雄二君が私を欲しいのなら
私を奪って見せて。」
「淳ちゃん…」
「あの時
雄二君は私をかばって
私を死んでも
守るって言ったよね?
あれは本心かな?」
「本心に決まっている!
あの時は必死だった。
最低でも淳ちゃんを
助けなければいけない。
俺の命と引き換えにしても。
そう思っていた。」
「なら…今日、私を奪って!」
下を向いて赤くなりながら淳は
小さく呟いた。
「本当に私が欲しいなら
今日、奪って…」
雄二は暫く考えて
「まだ…早い…」
それだけ言う。
「そう。」
「俺は真剣に淳ちゃんが好きだ。
だから馬鹿な俺がこれから
淳ちゃんを守る為には…
生活の事、
考えなくてはいけない。
馬鹿な俺でも
身を立てれるように。
それから俺は
君を貰いに来る。」
「馬鹿…」
「良いんだよ…」
「欲しいくせに…」
「欲しいに決まってる!」
「なら、奪ってよ…」
「だから…」
「意気地なし!!」
淳は怒り出して
「雄二君なんて
知らない!!」
顔を覆いながら淳は
走って雄二の元から去った。