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淳、光と闇
第11章 片羽の天使
淳は省吾に

「旦那様…お助け下さい…」

とすがった。

「よしよし…」

省吾は淳の頭を撫でて

「その子は…
外国で治療させる…
わしの知り合いに…
癌の権威がおる…
そいつの元で…がん治療をさせる。
その子は…必ず治る。」

そう静かに言った。

そして恵に

「癌の事はこの爺に…
任せてくれるね?」

と優しく聞いた。

「うん、おじいさん…
ママを苛めないなら…
恵はおじいさんを信じます。」

「そうかそうか…
恵ちゃんは…良いこだなぁ…」


それから数日後…

専属の看護師が付いて恵は

癌克服の為にドイツに渡った。

空港で淳は省吾に

「旦那様…淳の我侭を…
聞いてくださり…有難うございました。」

「いやいや…わしは…
あの子が不憫に思っただけ…
そして…淳ちゃんの同僚の
母への怒りがわしを動かした。
良い同僚を持ってるな。」

「はい!!」


さて病院へ戻った淳は…

「戻りました!!」

と詰め所に入っていくが…

何か様子が変だ??

「あれ?どうしたの?」

「淳!!」

「は、はい!!」

「ちょっと…聞いて良い??」

「な、何でしょう??」

先輩看護師の美紀が怖い顔して淳を覗き込んだ。
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