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淳、光と闇
第16章 省吾からの旅立ち
「旦那様…」

「何だね?」

「淳ちゃんを…
甘やかせ過ぎですよ?」

キッと省吾を睨む由美。

「分っておる。
分っておるとも…」

そう言いながら鼻歌交じりで

仕事を進める省吾。

「旦那様…」


さて次の日。

淳は朝早くから起き出して

洋服ダンスから服を全て引っ張り出して

あれこれと悩みながら服を選んでいた。

朝からうるさいと結花とゆり。

「淳!うるさいよ!
今何時だと思ってるの??」

「あ、結花とゆり。
ねぇ…今日旦那様のお屋敷へ
行くのだけど…
お洋服、どれが良いと思う?」

「はぁ?
あんたね…??」

呆れて物も言えないと二人は

「好きにしなさい!!」

「冷たいのね…」

ちなみに今は朝の4時…


やっと着る物が決まってアクセサリーも

持っている中からお気に入りの物を付けて…

淳は省吾の屋敷へ向かった。

省吾は迎えを出すときかなかったが

由美に睨まれてそれは断念した。

淳は途中、寄り道して

省吾にあるものを買った。

高い物は買えないが

それでも…

「旦那様…
喜んでくれるかな?」

昨日注文して今日渡されたある物。

それを大切に抱えて

省吾の屋敷に到着する。

「遅いな…
淳ちゃんはまだ着かんのか?」

幾度となく由美に聞く省吾。

「旦那様、落ち着いてくださいませ。」

「手が付けられない子供みたい…」

「そう言うな…」

窓の外ばかり見ている省吾。
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