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淳、光と闇
第22章 さゆりの危機
そこへみゆと舞が現れた。

夜勤明けでこの時間まで残っていたのだ。

「貴方達、婦長に
もしもの事があれば
各自どうするか
考えておきなさい!!」

厳しい言葉が若手を襲う。

「舞先輩
婦長さんは?」

勝枝が心細そうに舞に聞いた。

「恐らく…
ここにはいられないでしょうね。」

「そ、そんな…
舞先輩、何とかなりませんか?」

必死ですがる勝枝。

「どうしようもないわ…。
いくら私でも諮問機関には
勝てないもの。」


「美紀さん、総婦長さんの力で
何とかなりませんか?」

若手は一斉に美紀にすがった。

「分ってる。
今朝母に連絡したわ。
でもね、返事は
私の力で解決しても
根本の解決にはならない。
自分達で何とかしろと言われた。
当然よね?

最後に諮問機関は看護師を
監視する機関で総婦長より
権限は上。
全く、役に立たない親だわ。」

美紀がぼやいた。


その頃…

さゆりは諮問機関へ出向いていた。

「失礼致します…」

一礼をしてさゆりは議場に入った。

「さゆり君
昨日の事
どういうつもりかね?」

議長がさゆりを睨む。

「言い訳は致しません。
全て私の指導責任、
監督不行き届きです。
どんな処罰でも受けます。
が、芳子は将来のある身。
どうか…処罰の
御再考をお願い致します。」

さゆりは深々と頭を下げた。

「芳子君の処罰は別問題だが
さゆり君、君は。」

「分っています。」

「医療事故は病院として
あってはならない物だ。
君も分っているだろう?」

「はい…」

「以前から君の
指導方法や管理方法には
問題視されている方もいてね。
君はそれをどう考えているのかね?」

「私は…
自分の指導方法には
間違いは無かったと今でも
思っています。」

「しかし、結果として
医療事故が起きてしまった。
その原因は看護師が監視を
怠った事が原因ではないのかね?」

「はい…その点については
私の責任です。」

「おかしいじゃないか?
指導方法が間違っていないのなら
事故は起きなかったではないかね?」

「それは…」

「今それを議論しても
起こった事は元に戻らない。
しかし、諮問機関としては…
さゆり君、君を
処分しなければならない。
分るね?」

「はい…」

「では処分を言い渡す。」
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