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淳、光と闇
第25章 小さな命、ゆりの想い
ゆりは病院の事務で住所を

確認したが同じ。

「おかしい…」

そしてそれ以降、

友也はゆりの前から消えてしまった。

「友也君…」


それから約一ヵ月後。

ゆりはある事に気が付いた。

「生理が来ない…」

慌てたゆりは少し離れた町の

産婦人科を訪れると医師は

「おめでとう…
妊娠してるわよ。」

にっこりと笑って祝福してくれた。

「そ、そんな…」

ゆりの目の前は

真っ暗になった。


下ろしたくてもお金はない。

ゆりと結花は院長に拾われて

今まで院長夫婦の手で育ってきた。

働くようになって二人はお金の掛からない

寮に住みだした。

給料は必要経費を差し引いて

院長夫婦が預かり小遣いだけ貰っている。

それは夫婦が将来結花とゆりが

独立する時に困った時にと

貯金をしていた。

勿論、必要なら上限を決めてすぐくれた。

しかし、まさか…

患者とSEXして妊娠したから

下ろす費用を出してくれとは

口が裂けても言えない。

普通にそうなっても言える訳が無い。

院長夫婦は結花と

ゆりを何より可愛がった。

娘が出来たと喜んでいる。


院長夫婦は二人が中学卒業した時に

二人は捨て子だと言う事を伝えた。

しかし、すでに二人は院長夫婦を

実の親と思っているので動揺はしなかった。

それほど夫婦は二人を可愛がり

行く末を案じている。
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