この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淳、光と闇
第26章 みくの家庭教師
「例え…みくがどんな状況でも…
みくが生きている…
そんな状況でみくと一緒にいたい。
それが俺達の親としての願い…」
竜馬は涙を流してそう言った。
みく…両親の勝手な都合で捨てられて
その才能を開花させる事なく生きてきた。
みくを育てて…
親同然の自分達に出来る事。
それは一緒にいる時間を少しでも…
そう二人は思った。
二人はみくを呼んで癌であること、
余命一年であることを告げた。
みくは黙って聞いている。
「みく…」
みくは顔を上げてしっかりと
「お父さん、お母さん…
みくは一日でも一分でも…
長くお二人の側にいたいのです。」
泣きながらそう言って抱きついた。
みくの癌である事はすぐに結花の
耳にも入った。
「そ、そんな…」
医師が結花がみくの親友だと聞いて
結花にこの事を告げた。
「みく…」
結花は…ショックで倒れてしまった。
「結花!!しっかりしなさい!!」
ゆりが結花を叱りつける。
「あんたが倒れてどうするの?
みくちゃんは親友のあんたを
必ず頼ってくる。
そんな時、あんたがしっかりしなければ
どうするの!!
しっかりしろ!!この馬鹿!!」
そう言ってゆりは結花を抱きしめて
「辛いよね…」
二人は抱き合って泣いた。
それを淳は黙ってみていた。