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淳、光と闇
第26章 みくの家庭教師
「はい…」
去っていく淳。
健がさゆりに
「婦長!!きつすぎ!!」
と抗議するもさゆりは
「これで良いのです…
淳のあの弱い気持ちが…
優しい気持ちが…
いずれは淳のネックになる。
直せなければ…淳は
看護師を続ける事は出来ません。」
さゆりはそう言って仁王立ちになった。
次の日…
淳は辞表を書いてさゆりに提出した。
じっと睨むさゆり…
看護師達はさゆりに
「婦長さん…
どうか…淳をお許し下さい…
淳はみくの事を心配して…
お願いです…淳をお許し下さい…」
「駄目です…
この辞表は明日看護課に
提出します。
看護課で審査のうえ受理されます。
それまで淳、寮の自室で謹慎しなさい!
分りましたか??」
きつい目で淳を睨むさゆり。
「は…い…」
淳は力なく詰め所を去った。
「婦長!!」
美紀とみゆがさゆりに食い下がる。
「分っています…
いいですか?
看護師はどんな時でも…
死と向き合わなければいけません。
それを…看護師としての
基本を淳は忘れてしまっています。
自らの力で思い出すまで…
淳を謹慎させます。」
「え?では辞表は…」
「淳は強い子です。
必ず自らの力でそれに気が付くでしょう。
それまで私が預かっておきます。
しかし、気が付かなければ…
皆、淳を諦めなさい。
淳は強い子、優しい子です。
淳を信じて…待っていなさい。
分りましたか?」
「婦長さん…」
看護師達が見るとさゆりは泣いていた。
「やっぱり自分は…鬼だ…」
さゆりはそう思った。