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淳、光と闇
第27章 みくと淳 復活へ自分との戦い
必死で耐えるみく。
美紀が結花を見ながら体を震わせる。
「私達は何もしてやれない…」
悔しさが、情けなさが美紀を襲った。
「何が先輩よ、
何が指導係りよ。
こんな時に
何もしてやれない先輩なんて!」
わなわなと体を震わせてこぶしを握りしめた。
「く、くそぅ…」
「そうよ、貴方は何も出来ないわね?」
「え??」
入り口を見るとそこには玲子が立っていた。
「あ、総婦長さん、お疲れ様です。」
「あ、皆そのまま…」
玲子は詰所に入ってきて美紀の前に立ち
「美紀さん、あなたは
何をしているのです?
後輩が自らの感情を殺して
看護の鬼神となっている時に
貴方は何をしているのです?
貴方、それでもこの子達の先輩なの?
この…役立たず!!」
激しい言葉が美紀を襲った。
「く…お前には…
お前にだけは…言われたくない!」
玲子を睨む美紀。
「美紀ちゃん、
総婦長になんて言う事を!!」
さゆりとみゆは玲子に
土下座して詫びを入れる。
「総婦長、申し訳ありません!!
美紀の処分はきっと致します。
どうか、平に平に…」
「いえ、いいのよ…」
玲子は美紀に
「あなたは私を
人殺しとののしったけど
貴方はどうなの?
重症患者を見て逃げ出している
単なる弱虫、無責任ではないの?」
「お前にだけは
言われたくない!
言われるくらいなら
死んだほうがましだ!!」
歯ぎしりをして礼子を睨む美紀。