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淳、光と闇
第29章 省吾の入院
「うんうん…
医療の最前線の…
一部を垣間見た気分じゃよ。」
「それは良かった…」
「淳ちゃんは…
ここの看護師の中で一番
おっかない看護師とも言っていたわい。」
「え??私…
結花ぁ!!
旦那様、淳はそんなに
恐ろしくはございませんよ?」
「ははは…
そう言う事に…しておこう…」
「もう…旦那様ったら…」
淳は詰所に戻って毛布を持ってきて
「旦那様…お風邪をひきますよ」
と、省吾の膝に毛布をかけてにっこりと笑った。
省吾はその淳の優しい笑顔に
心癒された。
「ありがとう…」
しばらく周りを眺めていると…
掃除婦のおばちゃんが
壁と床の角を小さなほうきで掃除している。
「はて…??」
省吾は珍しさもありそれを見ている。
「あの…ちょっと良いですかな?」
省吾が声をかけるとおばちゃんは
「はい、何でしょう?」
「あのですな…
どうして…そんな隅まで丹念に
掃除しておるのじゃ?
そんな隅は…良いではないですか?」
「はぁ…?」
おばちゃんは省吾をじっと見た。
「貴方は省吾様ですね?」
「そうじゃ…省吾と申す…」
「では…分からないでしょうね。」
「ん??」
おばちゃんは省吾の前に座りこんで
「失礼しますよ…
こんな格好で…
今、省吾様はそんな隅とおっしゃいましたが…
こんな隅だから手を抜かないのです。」
「なんと??」
「あのですね…
隅だから手を抜かない…
私は掃除婦です。
省吾様ほどのお人なら私達の
存在さえ気にも留めない存在ですが…
それでも私達は掃除婦としての
誇りを持っています。
プライドもあります。
掃除…確かに地味な仕事ですが…
省吾様…いいですか?
隅の誇りでも…ほおっておくと…
黴菌が感染します。
抵抗力の弱った患者さんが多い
病棟では…それが患者さんの命取りとなるのです。
ですから…私達はこうして…
隅を掃除するのですよ。」
医療の最前線の…
一部を垣間見た気分じゃよ。」
「それは良かった…」
「淳ちゃんは…
ここの看護師の中で一番
おっかない看護師とも言っていたわい。」
「え??私…
結花ぁ!!
旦那様、淳はそんなに
恐ろしくはございませんよ?」
「ははは…
そう言う事に…しておこう…」
「もう…旦那様ったら…」
淳は詰所に戻って毛布を持ってきて
「旦那様…お風邪をひきますよ」
と、省吾の膝に毛布をかけてにっこりと笑った。
省吾はその淳の優しい笑顔に
心癒された。
「ありがとう…」
しばらく周りを眺めていると…
掃除婦のおばちゃんが
壁と床の角を小さなほうきで掃除している。
「はて…??」
省吾は珍しさもありそれを見ている。
「あの…ちょっと良いですかな?」
省吾が声をかけるとおばちゃんは
「はい、何でしょう?」
「あのですな…
どうして…そんな隅まで丹念に
掃除しておるのじゃ?
そんな隅は…良いではないですか?」
「はぁ…?」
おばちゃんは省吾をじっと見た。
「貴方は省吾様ですね?」
「そうじゃ…省吾と申す…」
「では…分からないでしょうね。」
「ん??」
おばちゃんは省吾の前に座りこんで
「失礼しますよ…
こんな格好で…
今、省吾様はそんな隅とおっしゃいましたが…
こんな隅だから手を抜かないのです。」
「なんと??」
「あのですね…
隅だから手を抜かない…
私は掃除婦です。
省吾様ほどのお人なら私達の
存在さえ気にも留めない存在ですが…
それでも私達は掃除婦としての
誇りを持っています。
プライドもあります。
掃除…確かに地味な仕事ですが…
省吾様…いいですか?
隅の誇りでも…ほおっておくと…
黴菌が感染します。
抵抗力の弱った患者さんが多い
病棟では…それが患者さんの命取りとなるのです。
ですから…私達はこうして…
隅を掃除するのですよ。」