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淳、光と闇
第35章 親子の絆
省吾を見送りに全員が
正面玄関に付いていく。
「あれ?」
見ると…
結花が腰に手を当ててゆりは腕を組み
こちらを睨んでいる。
省吾は前へ出て
「済まなかった…」
と頭を下げた。
「ちょっと!!」
二人が声を掛ける。
「なんですじゃ?」
「あんた…私達を…
毎日心配してくれてたの?」
「当たり前じゃよ…」
「なら…どうして…
親だと言わないの?」
「それは…こんなわしを…
娘達は認めてくれるか?
わしを親と呼んでくれるか…
それが怖くて今日まで
言えなかったのじゃよ。」
「意気地なし…」
結花がそう呟いて省吾に抱きついた。
ゆりも泣きながら省吾の胸に
飛び込んでいった。
「君達…」
「君達ではないでしょう?
娘達でしょう?」
ゆりが胸を叩きながら訴える。
「それでは…わしを??」
「馬鹿…親を親ではないと…
言う馬鹿が何処にいるの?」
「結花…ゆり…」
「お、お父さん…」
「お父さん!!お父さん!!
会いたかった…ずっと…
会いたかった…」
「二人で頑張っていれば…
いつかは会える…
きっと、絶対…
迎えに来てくれる…
そう信じて…
今日まで頑張ってきた。」
「頑張ってよかった…
諦めないで良かった…
お父さん…う、うぅぅ…」
「結花、ゆり…」
「お父さん、寂しかった…
辛かった…辛かったよう!!」