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淳、光と闇
第35章 親子の絆
「パパとママは優しくしてくれた。
でも、生みの親を…
お父さんって呼んでみたかった。
お父さん…結花は、結花は…」
「お父さん、辛かったの…
苦しかったの…
今日いきなり言われて…
どうして良いか分らないで…
ごめんなさい…お父さん…」
「お前達…」
省吾は既に涙の決壊を
止める事は不可能だった。
「これで…私達の…
役目も終った…」
「え??」
そこには院長夫婦が立っていた。
「結花、ゆり…
今まで…私達を実の親と
思って接してくれて…
有難う…
そして、お父さんが…
生きておられた。
今日からは君達は…
省吾様の娘だ…良かったね?」
優しい院長夫婦…
「やだ…」
「離れない…」
「え??お前達…」
「私達…今まで通り…
パパとママの娘だよ?
良いでしょう?」
「ゆり…結花…」
「確かに生みの親は生きて…
今私達の目の前にいますが…
省吾様の下に
私達の居場所はないのです。
省吾様には由美さんと…
悔しいけどなぜか淳がいる。
私達はそれを
邪魔する事は出来ないの。
だから…パパ、ママ…
もう暫く面倒見てね?」
ゆりが舌を出す。
「お前達…では?」
「はい…お嫁に行くまで…
すねをかじります。」
「結花さん、ゆりさん…」
「なぁに?お父さん?」
「あの…これからも…
今まで通りに…??」
「決まっているでしょう?
まさか追い出すわけにも行きません。」
「では、これからも?」
「淳がお世話になっている
大切な人を…邪魔には出来ませんよ?」
「こ、これ…
貴方達、さっきから聞いてれば…
省吾様になんて口の聞き方を!!」
さゆりが二人を叱った。